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(1)剪定の基本的配慮 -健康美をめざして 防御機能に即した剪定

剪定とは樹木という生き物に手を入れることです。樹木には腐朽に対する自衛の防御機能があり、剪定はこの防御機能が発揮されるように行うことを基本としています。この基本から健康的な自然樹形が創り出されます。

木自らの防御機能を引き出す剪定方法

木は損傷を受けるとそこから腐朽が進行しないように防御機能を持っており、枝においては付け根の部位がその働きをするのだそうです。

例えば広葉樹では多くの場合、図左のように付け根の部位には膨らみがあり、枝との境界部にはシワが見られます。ただし図右のように、細い枝などでは膨らみがほとんどないものもあります。

剪定はこの付け根の部位を傷つけることなく、シワに沿って行います。そうすると切り口は外側から包み込まれるように癒傷組織による巻き込みが起り、やがて閉塞します。

枝を胴部で切断すると防御機能が働かずに残った枝が腐朽したり、また付け根まで切り取ってしまうと幹に損傷を与えることになります。

この剪定方法はアレックス.L.シャイゴ氏が提唱した理論に基づいています。付け根の部位の形状は樹種や系統により傾向があり、一方で個々に様々です。詳細はインターネット等から得ることができます。「シャイゴの剪定理論」「CODITモデル」あるいは付け根の部位の呼び名「ブランチカラー」などの語句で検索できます。

  

健康的な自然樹形をめざす

見た目にも、枝を胴部で切断するとブツ切り状態で不自然ですが、付け根に沿って切断すると自然風の仕立てとなり、剪定直後から風景に溶け込みやすくなります。

めざすのは樹木の “健康美” であり、健康美を放つ樹木のある風景は目に見えて活き活きとしてきます。

  

  写真左:枝の付け根での剪定により、その切り口が癒傷組織により
  巻き込まれつつある状況(→)。
  写真右:同樹木の見るからに健康的な自然樹形。

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