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3-2. 風景の核心・風景づくりの基点 -霊山麓の祠周辺の風景づくり

(1)祠の再生と周辺の植栽

風景づくりの基点としての祠の再生

3-1. 風景の核心 -里の霊山に記しましたように、集落の東方に位置する円錐形の山で、 “里の霊山” とおぼしき山があります。その集落に向いた山麓に小さな祠(ほこら)があります。大切な祠の一つで、かつては御神木もあったとのことです。

今はほとんど藪(やぶ)に埋もれた状態であることから、風景づくりの基点として、その再生と周辺の整備を行いました。

[着手前の状況]

コンクリート製で土台もなく傾き、タケ類・ササ類等の藪に覆われ埋もれたような状態でした。

[ 施 工 ]

▶ 先ずはタケ類・ササ類等の藪の伐採を行いました。 ▶ 祠はコンクリート板等で基礎を作り、据え直しました。 ▶ 麓の道から枕木廃材で階段を取り付け、袖部には根締めのコグマザサを植えました。 ▶ 将来の御神木をイメージしカツラを植えました。 ▶ 祠のある山腹は急斜面で、集落に向き、周辺の道路からもよく眺望されることから、 “田舎のパブリックビューイング” として見立て、季節の彩りを映すよう花木のヤマブキ、ミヤギノハギ、ツツジ類、サクラ類、紅葉木のメグスリノキ、ナナカマドなどを植えました。

*パブリックビューイング:屋外の大型スクリーンで観覧等を行うこと。

祠の再生

一帯の植生管理⇒6-2. 里山 落葉広葉樹林の再生・演出

  

(2)山の神とのコラボレーション

神風吹いてサルスベリは鳥居と化す

里の霊山とおぼしき山に向かう里地内道路には、2株のサルスベリが道路を挟んで対峙しています。 1 株は15年程前に当時既に耕作放棄地となっていた棚田の角に私が植えたものです。

その後に大きな台風が襲来し、その株が倒れてしまったことから実家の者が下の畑に植え直したところ、元の所にはひこばえ(切株や根元から生えてくる若芽)が生長し、道路を挟んで対峙する状態となりました。

盛夏になり、道路を歩いていた私は思わず立ちすくみました。2株のサルスベリは真紅の花で染まり、その先に祠(ほこら)がたたずんでいるではありませんか。2株のサルスベリは霊山の鳥居と化していたのです。

私には山の神の仕業としか思えません。山の神が台風を呼び、人をして 1 株のサルスベリを2株に並立させ、鳥居に仕立てたのだと。そしてお盆に合わせ紅く染めるのだと。・・・神風吹いて霊山の風景となりました。

   鳥居に化したかのように並立するサルスベリ、霊山と祠は写真の背
   後になります。

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